空調屋のひとり言

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R407Cは製造中止なの?


R407Cは製造中止なの?

冷媒R407Cは、以前エアコンやヒートポンプなどによく使われていた冷媒です。近年「製造中止になった」と耳にすることがありますが、実際はどうなのでしょうか。ここでは、R407Cの現状と、なぜそう言われるのかを分かりやすく説明します。


R407Cは完全に製造中止ではない

まず結論です。

  • R407Cは完全な製造禁止にはなっていません。

  • しかし、生産量が大きく減らされている(フェーズダウン中) ため、手に入りにくくなってきています。

つまり「もう作ってはいけない」わけではなく、
“作れる量に厳しい制限がかかっている” 状態です。


製造中止と言われる理由は「HFC削減の規制」

R407CはHFC(フロンガス)の一種で、地球温暖化に影響が大きいとされています。
そのため、世界中でHFCの使用量を減らす政策が進んでいます。

● 2036年までに85%削減

日本では「フロン排出抑制法」により、HFC冷媒の生産量を
2036年までに85%削減する と決められています。

R407Cもこの対象に入っているため、メーカーは生産を徐々に減らさなければなりません。


メーカーはR407Cのエアコン製造を終了している

冷媒自体は“完全に製造中止”ではありませんが…

  • 多くの空調メーカーは R407Cを使った機種の製造をすでに終了

  • 新しい機種は R32などの別冷媒に切り替え

となっています。

そのため、現場では

「R407Cはもう終わった冷媒だよ」

という言い方をすることが多く、「製造中止」と誤解されやすくなっています。


今後どうなる?

● 冷媒の流通量はさらに減る

国の規制によってHFCの生産枠自体が縮むため、R407Cが市場で手に入る量も減少していきます。

● 価格が上がる可能性がある

供給量が減るので、冷媒の価格が上がる傾向があります。

● 新しい設備は低GWP冷媒へ

R32やCO₂、R290など、環境負荷の少ない冷媒へ移行が進みます。


まとめ

  • R407Cは 完全な製造中止ではない

  • しかし、HFC削減の規制で 生産量が大きく減っている

  • メーカーはすでに R407C機種の製造を終了

  • 今後はR32や自然冷媒の時代へ移っていく

「販売はゼロではないが、縮小中の冷媒」という状態です。

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